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君の情熱がいつの日か

日々の感じたことなど、主に法律・司法試験に関するブログです。

法的三段論法とは何か。

 少し前だったと思いますが、リーガルライティングに関するtweetがかなり反響を呼んだことや、合格者や教員は「法的三段論法が大事!」ということはありますが、それは何故か?ということはほとんど語られることはないです。その不満に応えるべく、今日はリーガルライティングの基本というか、法的思考のアウトラインである法的三段論法を中心に記事を書いていきたいと思います。

 

 法的三段論法は、証拠から認定された事実を法に適用し法的効果を導くものです。図式で書くと(証拠)→事実→要件→効果となります。このような形式的に法適用する意義はなんでしょうか?

 

 形式的な法適用、すなわち「実定法規範に拘束され物事を処理する仕組みは、実力行使や力関係による不当な決着のつけ方を抑止し、国家権力の恣意的な行使を規制することによって、法的安定性を確保し、人々の活動に予測可能な安定した枠組みと指針を提供することを目指している」(田中成明『法学入門』190頁(有斐閣、2005))のです。これが形式的な法適用の意義です。人による支配から、法による支配を目指し、平等の確保を目指すのは、法律家としての基本中の基本といえるでしょう。なので、事例問題を処理する際に、形式的な法適用(事実→要件→効果)の過程が示されていないことは、それだけで法曹不適格とみなされるから、「法的三段論法が大事!」ということになるのです。

 

 もっとも、ある事例を処理する際に、形式的な法適用をすればいいというわけではありません。証拠から事実を導きだす正確な事実認定という小前提の確定と、要件の正確な解釈という大前提の確定がきちんと行われてはじめて、法的効果につき正当化ができるからです。

 

 (新)司法試験の場合は、証拠から事実の確定という事実認定の基礎的な処理ができることが要求されていますが(例えば、伝聞の要証事実の確定)、それ以外の論文試験では、ある事実が要件に該当するかどうかの要件該当性が問われています。「事実を法にあてはめ、法的効果を導く」という法適用の意義をおさえていれば、法曹不適格とみなされる答案を書くことはなくなると思います。