H24予備試験の反省⑤
茹だるような暑さが続きますね。大学は試験期間でしょうか。
今日は、H24予備試験論文二日目について書いていこうと思います。
法実務基礎
法実務基礎刑事については、設問1は、去年と同様犯人性の問題が出ました。犯人性の認定の仕方は、犯人側の事情をあげて、被告人側の事情を論じ、犯人側と被告人側の事情がどういう点で一致し、被告人が犯人であるという推論過程を示すことでしょう。
甲が犯人であるという積極的な事情を確実性の高い順に論じました(部屋に残されたレシートに甲の指紋がついていたこと、ドアノブに甲の指紋がついていたこと、カードを甲が近接した時点で所持していたこと、犯人と甲の体格年齢が一致すること)。他方、甲が犯人であるかどうか疑わせる事情もきちんと評価しました(緑色のジャンパー、サングラスを甲が着用していたか不明、犯人が使用したナイフと甲宅にあったナイフが一致するか不明)。
結論としては、消極的事情を考慮したとしても、積極的事情から甲が犯人であると認定しました。
設問2は伝聞の処理の問題でした。Aの証言に甲の発言が含まれており、甲の発言の要証事実は甲がアリバイ作りをしていることから甲の犯人性であろうと思われます。伝聞の定義(形式説)にしたがうと、甲の発言は供述内容の真実性が問題となりますから、伝聞例外の処理をする必要があります。刑事訴訟法324条1項→刑事訴訟法322条1項本文「不利益な事実の承認」にあたると現場では考えました。そうすると、伝聞例外の要件は満たすので、規則205条1項「法令の違反」はなく、刑訴法309条の異議申立は却下されるべきであると結論を述べました。
犯人性の起案の仕方については、伊藤塾の呉先生の無料公開講座http://www.itojuku.co.jp/shiken/yobi/event/koukaikouza/DOC_017366.htmlで十分まなぶことができます。
法実務基礎民事は、時間との戦いでした。設問1は新司法試験で出題されてもおかしくない要件事実を問う問題でした。法律要件分類説によりつつ条文に即して説得的な論述を心がけました。
設問2は二段の推定の話ですかね。。。
設問3は、何を書いたか覚えていません。民訴法114条2項の問題ですかね。。
設問4は、「正当な理由」(職務基本規程56条)の解釈の問題でした。小問(2)は、会社法330条、355条の規定に照らし、自社を守るためR社の倒産情報を漏らしてもよいと書きました。。これでいいのかな。
自己評価はCです。刑事が書けたと思っただけに民事でできなかったのは悔しいです。
民法
設問1は、民法総合事例演習で解いたことがあるような問題でした。物上保証人は責任財産の範囲でしか負担を負わないので事前求償はできないこと、条文の文言(民法351条、372条)に反すると書きました。設問1は、条文の趣旨から考えさせる問題でした。
設問2は、条文をあげて処理しただけです。遺留分減殺請求は択一でも出てますしね。
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自己評価はBです。
商法
設問1は、本件売買が「重要な財産の処分及び譲受け」(会社法362条4項1号)にあたるとした上で、売買契約が有効かどうかは、93条類推で処理しました。
解除に関しては、商法526条の問題でしたね。
設問2は、手形法の問題。手形法16条2項の悪意重過失の解釈の問題でした。悪意の解釈が、原因関係の不存在を知っていたことを意味し、そのような事情を知っていた者は手形の支払い決済機能強化の恩恵を受ける資格はないと論じました。択一でも問われてましたね。
条文は必死に探しましたよ笑
自己評価はBです。
民事訴訟法
設問1は争点効の問題ですか?司法試験の雑感等でも言われているように、判例がある場合はそれを踏まえた論述をしなければならないにもかかわらず、いきなり争点効の論述を書いてしまい爆死。
設問2は、おそらく相殺の順序の問題でしたが、それに気がつかず、既判力が「対抗額」(民事訴訟法114条2項)が一部にしか生じないとし、その理由がY後訴で争うことができないから・・なんていう意味不なことを書いて時間ギリギリで終了しました。
自己評価はGです。
二日目は午前3時間、午後3時間30分の試験時間であり、最後のほうは手が動かなくなります。あと、私は東京の武蔵大学で受験したのですが、部屋が結構寒かったです。上着は持っていけばよかったと思いました。
以上が、予備試験論文までの反省と実感です。